栄養・運動
■生活習慣病はライフスタイル症候群
 2型糖尿病(いわゆる成人の糖尿病)、高脂血症、高血圧、脳卒中、心筋梗塞などの生活習慣病はライフスタイル症候群とも呼ばれ、その発症と病気の進行に食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒などの生活習慣が深くかかわっています。栄養(食習慣)と運動を中心に生活習慣を改善すれば、このようなこわい病気を予防できるだけでなく、病気になった場合の治療にも大いに役立ちます。

■1日に必要なエネルギー量(熱量)
 日本人が1日に必要とするエネルギー量(熱量)は年齢や性別で異なり、また生活活動の内容によって異なります。一般に必要エネルギー量は女性よりも男性のほうが多く、生活活動の強度が高いほど増えていきます(表1)。生活活動の強度は4段階(低い、やや低い、適度、高い)に分かれていますが、ほとんどの人は「やや低い」か「適度」です。肥満の人は、必要な1日のエネルギー量を間違いなくオーバーしています。まず「腹八分目」を守ってください。
表1 生活活動強度別エネルギー所要量

■脂肪の摂りすぎと食物繊維の不足
 食生活では、糖質・たんぱく質・脂肪・ビタミン・ミネラル・食物繊維をバランスよく摂ることが大切です。このうちとくに問題なのが、脂肪の摂りすぎと食物繊維の不足です。18歳以上の男女の場合、エネルギー摂取に占める脂肪の比率は20〜25%が望ましいのですが、近年これを超えてしまい(図1)、生活習慣病の危険因子になっています。脂肪の摂取を減らしながら、動物性脂肪、植物性脂肪、魚油を4対5対1の比率でとってください。また、食物繊維は大腸がんや生活習慣病などの予防効果があります。野菜、キノコ、海藻、豆類などを積極的に摂り、食物繊維が不足しないようにしましょう。
図1 エネルギーの栄養素別摂取構成比

■中等度の強さの有酸素運動を行う
 運動で大切なことは、中等度の強さの有酸素運動(体内に酸素を取り込む運動)を1回10〜30分で1日2〜3回、週3〜5日行うことです。種目としてはやや速めのウオーキング、ジョギング、ラジオ体操、水泳などがお勧めです。ウオーキングの場合、できれば1日1万歩、最低でも7000歩以上をめざします。表2に1単位=80kcalで各種運動の強度を示しました。男性は1日3〜4単位、女性は2〜3単位の運動をめざしてください。
表2 運動によるエネルギー消費量の目安
運動の強さ
1単位当たりの時間
運動(エネルギー消費量、kcal/kg/min)
T非常に軽い 30分間くらいつづけて1単位

散歩(0.0464)、乗物(電車、バス立位)(0.0375)、炊事(0.0481)、家事(洗濯・掃除)(0.0471〜0.0499)、一般事務(0.0304)、買物(0.0481)、草むしり(0.0552)

U軽い 20分間くらいつづけて1単位

徒歩(70m/min)(0.0623)、入浴(0.0606)、階段(おりる)(0.0658)、ラジオ体操(0.0552〜0.1083)、自転車(平地)(0.0658)、ゴルフ(平均)(0.0835)

V中程度

10分間くらいつづけて1単位 ジョギング(軽い)(0.1384)、階段(のぼる)(0.1349)、自転車(坂道)(0.1472)、歩くスキー(0.0782〜0.1348)、スケート(0.1437)、バレーボール(0.1437)、登山(0.1048〜0.1508)、テニス(練習)(0.1437)
W強い 5分間くらいつづけて1単位 マラソン(0.2959)、なわ飛び(0.2667)、バスケットボール(0.2588)、水泳(平泳)(0.1968)、ラグビー(前衛)(0.2234)、剣道(0.2125)
注)1単位は80kcal相当
(佐藤 1986年)

(出典・人間ドックのほん第3編、わかりやすい栄養・運動のはなしより)

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