胃の病気
■胃潰瘍は吐血や下血に注意
 胃の病気で多い胃潰瘍の症状は上腹部痛、胸やけ、吐き気などですが、早期には症状がないこともあります。胃潰瘍が進行すると、胃からの出血で「コーヒーのカス」の吐血や「コールタール」様の下血が見られます。一方、日本人にとくに多い胃がんでは、がんが進行するまで症状はほとんどなく、たとえ症状が出ても軽い胃炎などと見分けがつきません。ですから、40代のがん年齢になったら、定期検診が重要です。

■大切ながん検診
 胃の検査でもっとも大切なのは、胃がんの検診です。まず、職場や自治体でスクリーニング(ふるい分け)検査として胃のX線間接撮影を行い、疑わしい陰が見つかった場合には精密検査を行います(図1)。精密検査は胃のX線直接撮影が一般的ですが、最近は内視鏡検査を実施する施設が増えています。この検査で胃の内部を直接観察し、疑わしい部分の組織を採取して病理検査を行います。他の胃の病気でも、現在は内視鏡検査が一般的です。
図1 胃集団検診の方法

■早期胃がんなら内視鏡治療も可能
 胃潰瘍は薬によって治りやすい病気です。胃酸の分泌をコントロールする薬がよく用いられています。また近年、胃内の細菌(ヘリコバクター・ピロリ)が潰瘍の発症と深い関係をもつことがわかり、医療保険でピロリ菌を除菌できるようになりました。一方、胃がんは発見の時期により治療法と予後が異なります。早期がんで発見できれば内視鏡治療も可能であり、ほとんどの人が助かります。しかし、進行がんになると大規模な手術が必要になり、手術成績もどんどん悪くなります。

■食事と日常の注意
 胃がんの危険因子の第1位は食事内容です。強いお酒、塩辛い食べ物、ごげたりカビたりしている食べ物はよくありません。一方、緑黄色野菜は胃がんを予防します。また、タバコは肺がんのみならず、胃がんの原因にもなります(表1)。一方、胃潰瘍はタバコやコーヒーがよくありませんが、同時にストレス対策が重要です。ストレスがたまったら、思いっきり体を動かして、「精神の疲労を肉体の疲労に」変えるのがポイントです。
●緑黄色野菜は胃がんを予防する

一日100g以上をめざしましょう
表1 がんを防ぐための12カ条
バランスのとれた栄養をとる いろどり豊かな食卓にして
毎日、変化のある食生活を ワンパターンではありませんか
食べすぎをさけ、脂肪はひかえめに おいしい物も適量に!
お酒はほどほどに 健康的に楽しみましょう
たばこは吸わないように 特に、新しく吸いはじめない
食べ物から適量のビタミンと繊維質のものを多くとる 緑黄色野菜をたっぷりと
塩辛いものは少なめにあまり熱いものはさましてから 胃や食道をいたわって
焦げた部分はさける 突然変異を引きおこします
かびの生えたものに注意 食べる前にチェックして
日光に当たりすぎない 太陽はいたずら者です
適度にスポーツをする いい汗、流しましょう
体を清潔に さわやかな気分で
国立がんセンター監修(財)がん研究振興財団広報資料「がんを防ぐための12カ条」より

(出典・人間ドックのほん第2編、わかりやすい胃のはなしより)

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